"code = choice"

「前田君のお姉さん、少し落ち着いて下さい。ここは学校ですし、私も一応教師です。目の前の姉弟ゲンカを、黙って見過ごすわけにはいきません」
 阿部先生が立ち上がり、庇うように制止する。
「せ、先生・・・」
「ここには精密機械が多いですから、廊下で思う存分ケンカして下さい」

 B級コメディではないのだから、そんなオチは止めて欲しい。
 あ、そうだ。この場に現れたということは、彼女の誤解を解く絶好のチャンスかも知れない。

「瀬戸さん、何度も言いましたが、ブログサイトのシステムトラブルを起こしているのは、断じて僕ではありません。僕の無実を、この阿部先生が説明してくれます!!」
「何を、意味不明なことを言ってるの!!」
 意味不明はあんたじゃんか!!

 顔を紅潮させながら、拳を握り締める瀬戸 麻美。僕は頭を抱え、身体を低くしながら、阿部先生に懇願する。
「先生、あのブログサイトの障害について、彼女に説明して下さい。
 瀬戸さんも、少しだけ話を聞いて下さい」


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