"code = choice"
無意味な3脚の椅子。
僕は自分の定位置であるテレビの正面に座ると、ビニール袋からハンバーグ弁当を取り出した。
弁当にも飽きた。
だけど、他に食べる物といっても、買いだめしてあるインスタントラーメンしかない。料理ができない訳でもないが、後片付けが面倒でしない。
テレビには、今日のニュースが映っている。ニュースキャスターが淡々と事件や事故の原稿を読んでいく。退屈ではあるが、僕的には映像と音さえあれば十分だ。バラエティー番組は、うるさいから嫌いだ。
最近のニュースは、虐待や育児放棄に関する事件が多い。この親たちと、金だけ渡しておけば良いと考えている父と、一体どこが違うのだろうか。うん。たぶん、同じ穴のムジナだ。
この防衛省のホームページを改ざんした犯人の方が、いくらか善人に思えてくる。
でも―――
僕は父の期待に応えられなかった。こんな扱いを受けても、仕方ないのかも知れない。
弁当の容器をゴミ箱に捨て、一緒に買っておいたジュースと駄菓子を持ち、僕は2階に続く階段を上った。
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