"code = choice"

「Zさんは、いったい何者なんですか?」
 ずっと疑問だったことを、ついに僕は口にする。普段ならば他人の素性に首を突っ込む様な真似はしないが、今この状況においては確かめずにはいられない。

 Zさんの笑顔など見たことはない。そんなZさんが、声を上げて笑う。
「何者って、私は塾の講師よ。ただし、インターネット塾の講師だけどね」
 それで、1日中パソコンに向かっていたのか。だから、話し掛けても素っ気ない返事しかしなかったんだ。

「そんなことより、ログオフ状態のブログ数が4万を切ったわよ」
「4万を・・・
 でも、僕には何もできないし。それに、あそこの責任者は父で、追い出されてしまって。それで・・・」
「で、浩平君はどうしたかったんだい?」
 カウンターの中に座っていたオーナーが、会話に割り込んできた。
「どうって・・・」


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