オレの『いつもの軽い致命傷』
「何か久し振りだね」

 洋の方から近づいて来た。

同じ車両。

乗って来た瞬間、

目が合った。


オレは黙ったままうなずく。

「何か、怒ってる?」

「いや。

嫌われてるから、

喋らない方がいいと思って」

 彼女は困った顔をする。

「嫌ってなんて。

ただ、今まで通りにしてて欲しいだけだよ」

 オレはチラッと洋を見る。

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