【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 その日は記念すべき人生初のデートだった……ハズ。

 準備したメイクと服を何度も鏡でチェックして家を出た。

 残暑厳しい九月半ば。
 晴天。

 まるで自分のデートのようにワクワクしてたお母さん。

 娘の初デートにショックを隠せず、新聞を逆さまに読んでた『千衣子命』のお父さん。

 お兄ちゃんには今朝も会えなかった。

 同じ屋根の下にいてもこう言うことはよくある。

 家族だから一緒にいるのは当たり前だけど、
 家族だからって何でもわかるわけじゃない。

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