【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
お兄ちゃんに手を引かれるといつも、小さな子供に戻ったような気分になる。
駅につくと、二人分の切符を買ってくれるお兄ちゃん。
「ありがとう」
お礼を言って受けとると既に止まっていた電車に乗り込む。
一番前の車両。クーラーの効いた車内は日の光が窓から差してほんのりあたたかい。
まだ昼下り。こんな時間だから車内はすごく空いていた。
適当に並んで座る。
車掌さんが乗り込むとすぐに、ゆっくり電車が走り出した。
流れる景色。揺れる車両に身を委ねる。
隣ではお兄ちゃんが腕を組んでこくりこっくりと船を漕いでいた。