【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

「あぁっ!!」

 長谷川くん!!
 なんで忘れてたのあたし!?
 うっかりにも程がある!

 勢いよく立ち上がって、ちょうど駅に止まって開いた扉へ駆け出す。

――プシュー。
 鼻先で閉まる扉。

「あれ? チィ?」

 妹の奇声に目を覚ましたお兄ちゃんが寝ぼけ眼であたしを探す。

 脱力感たっぶりにヨロヨロと席に戻るあたし。

 長谷川くん、ごめん!
 すまん!

 頭の中で様々な言い訳を考えてると、隣からまた健やかな寝息が聞こえてきて――。

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