【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「こ、これ!」
その雰囲気に耐えられなくて、ラッピングされた袋を彼に押し付ける。
「え? 何?」
戸惑った顔をしながら丁寧に両手で受け取ってくれる。
「この間、送ってくれたお礼に。クッキー作ったんだけど……。よかったら、食べて」
渡せなかった土曜の分は、我が父の胃袋の中へ。
昨日、改めて焼き直した。
「マジで? 俺、今腹へってんだけど、食べていい?」
「う、うん。どうぞ」
料理は出来ないけど、お菓子はお母さんとたまに作る。
このクッキーは我ながら自信作なんだけど。