【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
言いかけて止まる。
うまく言葉が出てこない。
「うん」
真っ直ぐな目の前の瞳。
ゴクンと喉がなる。
「本当にごめんね。買い物、付き合えなくて」
瞬間、長谷川くんの顔が曇った。
「言ったろ? 買い物を口実にした、デートだって」
男らしい口調でハッキリ言い切る。
いつもは可愛い雰囲気なのに、意外な一面に少し驚いた。
「そ、そっか。あの、せっかく誘ってくれたデートだったのに……ごめん」
あたしにとっても特別な日だった、はずなのに――。