【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
ちょうど数人の生徒が出てくる所だった。
邪魔にならないようにこそこそ脇に寄る。
「あれ? あなた……」
まさか話かけられるとは思わず、飛び跳ねるように驚いた。
声の主は、この間お兄ちゃんと一緒に見かけた女の人。
相変わらずの美しさ。
あたしに合わせて、長身の膝を曲げてくれる。
さらりと落ちるロングの髪。
覗き込む色素の薄い瞳。
「どうしたの? もしかしてシュウを探してる?」
シュウ……。
親しい呼び方になぜか痛む胸。