【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「チィ」
振り返ると、
こっちへゆっくり近づくお兄ちゃん。
まともに顔を合わすのは久しぶり。なんか少し緊張してる自分がおかしい。
「あれ? 律と一緒にいなかった?」
「リツ、さん? あ、彼女なら、今さっき帰ったよ」
「そっか。……遅くなってごめんな」
申し訳なさそうにそう言われて、やっと自分が何しに来たか思い出した。
「あ、コレッ」
すぐに茶色い封筒を差し出す。
「ああ、うん。これだ。サンキュー、助かった」
その笑顔に疲れや不安もぶっ飛ぶ、単純なあたし。