【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「元気そうでよかった」
教室を出て、自転車置き場まで歩いてる時、由真が言った。
「え?」
驚いてるとコナちゃんが続ける。
「ここ数日、チィちゃんなんか元気なくて心配してたんだよ〜」
「なにがあったか、知らないけど。いつでも相談乗るからね」
そう言って軽くあたしの肩を叩く二人。
「……ありがと」
「じゃね〜」
「長谷川くんによろしく〜」
由真の自転車に二人乗りで帰って行く。
その背中を見送りながら、あたしは泣きそうだった。
お兄ちゃんが帰って来なくなって数日。
どんなに誤魔化しても胸の穴は埋まらない。