【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 前にお兄ちゃんが、アフリカに行ってしまった時にも感じた空虚さに似てる。

 けど、正直、
 比べものにならない。

 会えないと思うと会いたくなるのはなんでだろう?

 訳もわからずこぼれる涙の理由は?

 二人には
 まだ話せない。

「わるいっ。待った?」

 すっかり日の暮れた校舎から
 手を振りながら笑顔で長谷川くんが向かってくる。

 慌てて目頭を押さえて、大きく手を振り返した。

 余計な気持ちは胸の奥に鍵をかけて隠しておこう。

 長谷川くん家とは方向が一緒。
 二人並んでペダルを漕ぐ。
 なんだかくすぐったい。
 
「うちの文化祭、色々あって楽しそうだよな。休憩、一緒にまわろう!」

 満面の笑顔の長谷川くん。

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