【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 夕方の風は少しひんやりする。

 祭りの後独特の寂しさと高揚感。

 深呼吸をすると
 湿気を含んだ秋の匂いがした。

 燃え始めた組み木を横目に

 あたしは足早に歩いていった。

 彼の元へ。


 この夜の出来事を
 あたしはきっと
 一生忘れないだろう。

 
 痛いほど
 捕まれる肩。

 強引に
 合わさる唇。

 息も心も乱れて。


 あたしは気づく――。



 ごめん、ごめんね。




 長谷川くん……。

 
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