【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
追い詰められたあたしは、目標を定めると、目をギュッとつむって、長谷川くんの頬に唇を当てた。
一瞬だけど。
冷たい。
唇が彼の体温に驚いて離れる。
秋の夕方は意外と冷える。
でも、そのせいだけじゃないよね?
俯いてると聞こえる声。
「それだけ?」
その、温度も
感情の無い
声に
あたしは震え上がる。
見上げると茶色い二つの目が
冷たくあたしを見下ろしてた。
そう、彼は怒ってるのだ――。