【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「あの人がいいの?」
あたしの身体はビクンと跳ねた。
驚いて彼を見上げると
その瞳は乾いてるのに、まるで泣いてるみたいな顔。
彼は知ってるんだ――。
「家族なんだろ?」
瞬きもせず溢れ落ちる涙。
「ただの『お兄ちゃん』なんだろ?」
あたしが今やっと認めたこと、
それを。
いつから?
ずっと?
「……ごめん」
謝ること以外、何があたしに出来ただろう。
キスを夢見てた相手は、
彼じゃなかった。
ファーストキスを強引に奪われたあたしより
奪った彼の方が、傷ついてる。