【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

「うわっ、ひどい顔」

 コレは教室に入ってすぐの由真の第一声。

「須田さん、何? その顔!?」
「なんかあったの?」
「須田、目が無いぞ!」

 もしくは無言でガン見。

 最悪。遅めの登校で逆にみんなの注目を集めてしまったようだ。すでに登校してきてる長谷川くんとは目も合わないし。
 
 肉体的ダメージ、プラス精神的ダメージ。朝から一気にのしかかる疲労感。

 はぁぁぁ〜〜。
 授業中や放課に暇を見つけては目と鼻をタオルで冷やしてた。努力の甲斐あって昼頃には強引にこじ開けるとやっと目が現れるぐらいにはなった。
 
 腫れすぎだよコレ。もう鏡を見る気にもならない。

「天気もいいし、外行こー」

 コナちゃんと由真に誘われて三人で屋上ランチすることに。教室が居心地の悪いあたしへの二人の気づかいを感じた。

「どしたの〜? 長谷川くんとケンカでもした?」

「……ケンカって言うか」

 歯切れの悪い答えに視線が集まる。

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