【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

「無理に話さなくても、いいよ」

「話したくなったらいつでも聞くしね」

 あたし自身まだ戸惑ってるから。強引には聞き出さないでくれる二人の気持ちがありがたかった。

 初めての彼氏にデートも手を繋いだのも……キスも。全部ドキドキした。

 でもずっとそれが『初めて』だからなのか『恋』なのかよくわからなくて……。

 恋がしたい。素敵な彼氏が欲しい。ハッキリしてたのはただそれだけ。肝心の相手の気持ちと自分の気持ちを置き去りにしてた。
 
「……長谷川くんはちゃんと『あたし』を見てくれてたのに。あたしは彼とちゃんと向き合うことが出来なくて……」

「うん」
「そっか……」

 ズズッ。ため息と一緒に出る涙と鼻水。まったく。現実はホント絵にならない。

「元気出して」

 ティッシュを差し出しながらコナちゃんが声をかけてくれる。

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