【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 あれ? 居ない?

「お母さん?」

「こっちこっち〜」

 声は一階の和室。
 姿見のある部屋からだった。

「このファスナー上げてくれる?」

 覗くと姿見の前にタイトな秋色ワンピを身に付けてるお母さん。

 全体にぽっちゃりとしてるけど太ってはない体型にそのワンピースはとても似合ってる。

「どっか行くの?」

「今日はご飯食べに行くって朝言ったでしょ?」

 ご飯って……てっきり近所のラーメン屋とかファミレスかと思ってたあたしはビックリ。

「あんたそんな格好でいいの? 顔は……残念な感じだし」

「残念な感じって、年頃の娘に向かって失礼な!」 

 突っ込みながら、お母さんの背中のファスナーを上げる。


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