【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 いつもは適当に結んでるミディアムヘアーを今日は緩やかにアップしていてその首筋から香水の甘い匂い。

 ドキッとした。化粧も丁寧でいつもは数ミリも感じない大人の色気を纏ってる。

「こんなおめかししてどこ行くの?」

「あらぁ。忘れちゃってる〜。この日がなければあんた産まれて来なかったのよ〜!」

 年甲斐もなく少女のように頬を膨らます母。

 え?
『この日』?
 
「ああっ。付き合った記念日?」

 だったかプロポーズ記念日だったか。

 お父さんはお母さんと付き合う時にプロポーズしたらしい。結局それが実現するまでにはもう少しかかってるんだけど。


< 257 / 370 >

この作品をシェア

pagetop