【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
緊張して恥ずかしいのに嬉しい。苦しいようで心地良い。シーソーみたいな感情の揺れに酔いそうだ。
「ここも今年30周年なんだって。時が経つのは早いなぁ」
満足そうにナフキンで口元を拭うお父さん。
「初めて会った時はこんな日が来るなんて思わなかったけど」
みんな食べ終わり、食後のコーヒーを飲みながら含み笑いでお母さんが言う。
二人が初めてデートした話しは何度も聞いた。
けど、初めて会った話しは初耳。
「二人はいくつの時出会ったの?」
「ははは……えっと?」
頬を染めるお父さん。
ワインはそんなに飲んでないから照れて誤魔化してるんだろう。