【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
 
 緊張して恥ずかしいのに嬉しい。苦しいようで心地良い。シーソーみたいな感情の揺れに酔いそうだ。
 
「ここも今年30周年なんだって。時が経つのは早いなぁ」

 満足そうにナフキンで口元を拭うお父さん。

「初めて会った時はこんな日が来るなんて思わなかったけど」

 みんな食べ終わり、食後のコーヒーを飲みながら含み笑いでお母さんが言う。

 二人が初めてデートした話しは何度も聞いた。
 けど、初めて会った話しは初耳。

「二人はいくつの時出会ったの?」

「ははは……えっと?」

 頬を染めるお父さん。
 ワインはそんなに飲んでないから照れて誤魔化してるんだろう。

< 265 / 370 >

この作品をシェア

pagetop