【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
耳を押さえたくなる気持ちをぐっと堪える。
「……今は、特にいない。毅叔父さんみたいに、この若さで全てを決める。そんな恋愛をする勇気は無いな」
そう言い切るお兄ちゃんに、ホッとしたと同時に寂しく思うあたしはどうかしてる。
いや、普通会ってすぐに告白したり、結婚決めたりしないでしょ。お父さんが特殊なんだ。お兄ちゃんの言うことはもっともだ。
だけど――。
お兄ちゃんの瞳には誰も映ってなくて、その心には誰も住んでない……。