【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
強い虚脱感。じわじわ沸き上がる羞恥心。
「――……!!」
何!? 何だったの!?
鈍い脳ミソを必死で働かす。ごめんって言ってた。悪戯が過ぎたって何!?
お兄ちゃんはレストランでワイン飲んでた。もしかして酔ってた? からかわれただけ?
考えれば考えるほど答えが見えなくなる。
まだ体に残ってるお兄ちゃんの温もりを振り払おうと頭を激しく振った。
ふわっ。お兄ちゃんの香りがして胸が締め付けられる。抱き締められた時の移り香だ。
同時に温かく柔らかい唇。あたしの頭をまさぐる大きな手。どんどん連想される記憶に体温が上がっていく。
嬉しいような
苦しいような
甘く苦い痺れに
玄関先でしばらく立ち尽くしていた。