【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「えっ、嬉しい! でも。これ、全部?」
「いいよ。他にも何かいるもんあったら持ってっていいから」
え、何で?
おかしいなって思ったけど、いつもの目を細めた優しい笑顔にハートが撃ち抜かれる。
「え――うん!」
普通に話す。ただそれだけのことがすごく嬉しくて小さな疑問は吹っ飛んでしまった。
部屋に入るのは本当に久し振り。埃がきらきら舞ってる。お兄ちゃんの匂い――。
そう意識すると、激しく動き出す心臓。
片付けを続けるお兄ちゃんを横目でみながら、狭い部屋に二人でいることが急に息苦しくなってくる。
「あ、あたしも掃除しようと思ってたんだ。お兄ちゃんもがんばってね!」
緊張感に耐えられなくて逃げるように部屋を出る。意識し過ぎで心臓がもたない。