【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 携帯をみるとサブディスプレイが真っ暗。二年以上も酷使してるあたしの携帯は電池の減りが異常に早い。

 連絡は少し充電してからにしたほうが良さそうだ。

「チィ、間抜けすぎ」

「エヘへ……」

 今日何度目かの失態を笑って誤魔化しながら充電器を借りる。

「何があったんだか。その赤い目の理由教えてくれるまで寝かさないからね」

『赤い目の理由』を思い出してズンと重くなる心。黙って言葉にするのをじっと待ってくれる友人に甘えて口ごもる。

「……長谷川くん?」

 目を伏せて首を横に振る。

「……お兄さん?」

 慌てる心。なんで分かるの!?
 
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