【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

「お兄ちゃんは優しいけど、誰にでもそうだし。あたしはただ妹だからたまたま近い存在だっただけなんだよね」

 独り言みたいに呟く。もうよくわからなくなっていた。抱きしめられてもキスされてもつかんでは消える。夢か幻みたい。

 近づくと遠ざかる。二人の間の壁が、血の繋がりじゃなければなんなんだろう?

「チィはどうしたいの?」

 伏せていた目を上げるとまっすぐな由真の視線とぶつかる。

「ちゃんと、自分の気持ち相手に伝えた?」

 まだ言ってない。首を横に振った。臆病なあたしは意識的ににそれを避けてたのかもしれない。

「あんたの小さい脳みそでグダグダ考えてたって何も進まないよ! それよりちゃんと気持ちぶつけてみなよ。いつもみたいに。ぶち当たってから考えな」

 明るく笑って言う由真。ひどい言いっぷりだけど的を射てる。由真からもらったパワーを胸に貯める。


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