【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「ありがとうございました」
お兄ちゃんと並んでお礼を言って由真宅を出た。玄関が閉まった瞬間、
「行くよ」
早足で先に行くお兄ちゃん。戸惑いつつも背中を追いかける。
やっぱ……怒ってるのかな?
気まずい空気。ノロノロ歩いてるとその広い背中が突然振り返る。街灯の影になって表情は窺えない。
大きな手が伸びてきて 腕を掴まれる。強い力で引き寄せられた。
「突然出ていったと思えば、連絡も返さないで……チィ。女って自覚ある? 夜に飛び出して、道に迷って、変質者とかに襲われたら、どうする訳?」