【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

「あたしは、お兄ちゃんがっ――」

 振り返ったその人は被せるように言ったんだ。

「「好き」だから」!」
 
 力を込めてうつむいた姿勢のまま固まる。今、ハモった?

 顔を上げると目の前には一人の『男の人』雰囲気が空気が違う。

「好きだから、キスした」

 ゆっくりゆっくり近づいて来る。少し細めた真っ黒な瞳に長い睫毛。すっと通った鼻筋。輪郭の整った薄目の唇が開いた。
 
「兄妹だとか、従妹だとか、そんなのどうでもいい。触れたい。抱き締めたい。――キスしたい」

 話し方も声も、なんだかいつもと違う。激しく心音が踊りだす。

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