【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「ところで、お兄さんとはどうなの?」
少しでも体を温めようとお喋りが出来る程度に走る。あたしとお兄ちゃんの『秘密』を知ってる友達はまだ由真とコナちゃんだけ。
「どうって……」
正直、あたしが聞きたかった。
気持ちを伝え合ったあの甘い夜。帰宅すると、尻尾が見えるくらい嬉しそうなお父さんと仁王立ちのお母さんが迎えてくれた。お兄ちゃんと一緒だったし、なんとか雷は免れたけど。
それからは、目眩く恋人同士の時間を……とか言いたいところだけど。
海外長期滞在の為の準備や手続き。大学にまた泊まり込む日もあって、あっっと言う間に時間は過ぎてゆき。まったくいつも通り。
愛を育むような暇もなく。翌週、お兄ちゃんは渡米した。