【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
すいません。もう行きます。話ながらも早く立ち去ろうと歩き出す。
「じゃあ、俺も教室に戻ろうかな、一緒に行こ。またね」
えーー! と廊下に響くブーイング。残念そうな彼女たちに笑顔で軽く手を振ってこっちに向かってくる長谷川くん。
「あの、よかったの?」
まだこっちを見てる女の子たちを見てチラリと目線を送る。
「え、あの子たち? 大丈夫大丈夫。少し話してただけだし。今度の試合の応援に来てくれるんだって」
「すごい人気だなぁ」
少しでも気まずさを誤魔化したくて、茶化すように言った。
「……須田にそう言われると、複雑」
え!?
口を尖らせて不満を表す長谷川くんに、動揺し言葉を無くす。
「振られてからよくモテるんだ。何でだろ? 好きな子は振り向かないのにな」
そんな爽やかに言われても……。軽く感じる胃の痛み。