【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
考えないようにしてた。気づかないように。ソコに簡単に触れられて動揺が隠せない。
「家族がいないのは、寂しいよ――」
寂しいのはお父さんもお母さんも一緒。最近はやたらお兄ちゃんの話題が食卓にあがる。
「そう言う意味じゃなくて。そんな顔するなよ……。ほっとけなくなるから」
お兄ちゃんの『そんな顔』禁止令を思い出して思わず両手で覆う。
「大丈夫! 全然! 平気だし。気にしないで!」
指の隙間から覗くと、
「そこまで言われると逆に気になるけど――手出すと、兄ちゃん恐そうだしな……この辺で止めとく。ただ、なんかあれば言って。何でも相談にのるから」
「うん……ありがと」
戸惑いながら小さくお礼を言った。