【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
グラスを傾けお母さんの手料理を食べながら向こうでの出来事を話してる。
久々に会ったお兄ちゃんは髪が少し短く切られててちょっと痩せたみたいだった。疲労感が大人っぽい艶感を強調させている。
そんな表情を向かいの席で現実感のないままに見てたら
「チィ、見惚れすぎ」
イタズラっぽく口角を上げて、切れ長の大きな瞳が真正面からあたしを捉えた。
「あ……」
あっという間に沸点を越えた血流が頭の天辺から爪先まで染め上げる。
「あら、だって秀哉ってばますますハンサムになったもの、ねぇ?」
「ハハハ、男の僕でもドキドキだよ」
娘の過剰な動揺を知ってか知らずかアットホームな空気を寸分も乱さない両親に救われる。