【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜

 目の前の大量のフェロモンと料理に胸焼けして手元に視線を移した。胸に詰まった息をそっと溢す。

「そういえば、千衣子。家庭教師どうするの?」

 急にあたしに話を振るお母さん。いや、その話題は今はやめてほしい……!

「家庭教師?」

 お兄ちゃんの眉がピクリと上がった。

「そう。千衣子ったらこの間の中間テストも期末テストも散々だったのよ〜。秀哉もいないし、家庭教師でもつけようかって話してたの」
 
 夏の鬼勉に付き合ってくれたお兄ちゃんに申し訳なくて目が泳ぐ。お兄ちゃん渡米後全然勉強に集中出来なくて。テストが悲惨な結果だったのは事実。
 
「ごちそうさま!」

 慌てて箸を置くとすぐ席を立つ。

「あら? もういいの?」

「せっかく秀哉が帰ってきてるんだぞ?」

「今日は宿題が多いんだ。早めにがんばってくる。お兄ちゃん、また後でね」

 誤魔化し笑いで答えて階段を駆け上がった。


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