【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「だって、急に……」
「言っとくけど、ノックも声かけもしたから。相変わらず鈍いな」
図星をつかれて言葉ありません。
「教えようか?」
プリントに目を移して机に手をついた。お兄ちゃんからの魅力的な提案!
「ホント! あ、でも……」
『自分で頑張る』
その目標をあっさりと忘れて飛び付く所だった。
「もう、お兄ちゃんはいないんだから、自分でがんばろうって決めたんだ」
あたしの志をお兄ちゃんは喜んでくれるだろう。夏休みも散々、自分でもう少し頑張れよって言われてたし。
――そう思っていたのに。
大きな目を細めて眉間に皺。すごく、面白くなさそうな顔で言った。
「何? それ」
へっ!?
予想を裏切る反応に声が裏返る。
「いや、だって、今まであたしお兄ちゃんに甘え過ぎてたし。これからは、一人で――」
「だから、一人で。って何?」
迫力のあるその整いすぎた顔がずいっと近づく。
「チィ。そんなこと言って、いいのかな?」
眉をひそめ目は細められたまま声は苛立ったように低い。