【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
優しいフリして俺様で自信家で強引。温かい手のひら一つであたしの心を動かす人。
少し迷ってから、その手を取る。
ちらっと様子を窺うと、その顔中に満面に笑みが広がった。花咲くように鮮やかに。
あたしの迷いはその笑顔を見た瞬間、吹き飛ばされる。
「秀哉、千衣子。いくつか、条件がある。いいかな?」
「はい」
お父さんがお祖父ちゃんに出されたように、お父さんからお兄ちゃんへの条件。それを二人並んで聞く。
・あたしが高校を卒業するまで待つこと。
・学業、仕事をおろそかにしないこと。
「婚前交渉は、禁止だからな!」
最後の条件を真っ赤になって言うお父さんにあたしまで恥ずかしくなってしまった。