【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
お互いに黙ったまま見つめ合う。
「まいったな。もう、離れたくない」
どっくん。
潤んだ目を細めて言う、真っ直な言葉に心臓が波打つ。
「うん……あたしも」
正直な気持ちだった。このままあたしを拐ってほしい。
明日にはアメリカに戻るお兄ちゃん。きっと忙しくてまた、当分会えない。
気持ちが溢れて視界が滲む。いつからあたしはこんなに弱虫になっちゃったんだろう?
驚いたように目を見開いたお兄ちゃんは、ふっと口元を緩めると眉を下げて小さく息を吐いた。
「いつからそんな可愛い正直者になったんだ? 理性保つ自信なくなるよ……」
ゆっくり近づいて、重なる唇。優しく抱きしめられて、甘く何度も繰り返される口づけ。触れるところから想いが伝わるようなキスだった。