【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「三番目の条件、卒業まで守れるかな。俺」
ため息と一緒に囁かれて、鈍い頭で三つ目の条件を思い返す。
『婚前交渉は禁止だからな』
「……ぇえ!?」
「いや。守るけど。それがチィを手に入れる条件なんだから」
軽い口調なのに、強い意思のこもってた。
安心すると同時に寂しさを感じるあたしは、もう完全にどうかしてる。
そんなあたしの気持ちを見透かしたように、優しく大きな手があたしの頭を撫でた。
「……高校卒業したらすぐ、籍をいれよう」
それは、もしかして、
プロポーズ!?
二つの早い鼓動が重なり響き合う。
「――はい」
涙が溢れて声にならず、少し落ち着いてからやっと返した返事は、妙な鼻声。やっぱり格好つかない。
両親への挨拶の後にプロポーズだなんて。ヘンテコだけど、あたしたちらしいかもしれない。