【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
見上げると、緩められた腕の隙間から、大好きなお兄ちゃんの笑顔が見えた……。
次の日
再びアメリカへと飛び立つのを家族みんなで見送った。
前とは比べものにならないくらい安定してる気持ち。
寂しくないって言えば嘘になる。
不安も一杯ある。
けど、信じるって決めたから。
遠く離れて暮らすこの日々に戸惑うことはあっても、もう迷わない。
あたしには、頼りになる友人たちがいるし、
これからも道に迷った時にはお父さんとお母さんが道しるべをくれるだろう。
何より目指す道の先には大好きなあの人が待ってるんだから。
見上げれば、眩しい太陽。
目を細めて手を翳す。
薄い青色の空に
『家族』で『いとこ』で
あたしの『恋人』であるお兄ちゃんを載せた飛行機が
どこまでもまっすぐに
白く線を描いていた――。
【end】