【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
見上げると怒ってるのか、呆れてるのかわからない、
いつもの綺麗な顎のラインと形のいい唇が目の前にあった。
「何? 見とれてんの?」
突然動き出すその唇。
「違っ。違うよ! 見とれてたんじゃなくて」
びっくりしたあたしは、思わず首に回した両手を外して激しく首を振る。
「うわっ! あぶないから! 暴れるなよ、ちゃんと捕まれって」
「う、うん」
再び首にそっと手を回す。
「なんか……ごめんね、お兄ちゃん」
皆を心配させて、お兄ちゃんにも重たい思いをさせて、あたしは少し反省していた。