【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
姿を探すとちょうど教室を出ようとしてるとこだった。
なんとなく少しずらして教室を出る。
わっ。もうあんな先にいる。
すでに廊下の角を曲がろうとしていた。
足の長さが違うし、足首の鈍い痛みであんまり早く歩けなくて、なかなか追い付かない。
「長谷川くん、待って〜!」
階段下で立ち止まって振り返る長谷川くん。
「須田? あ、おい。走るなって」
勢い余って階段を転げるように降りるあたしの両肩を捕まえる。
うわっ! また近い!
「ご、ごめん」
謝って見上げると、睫毛の長いくりくりの瞳。あの、仔犬みたいな笑顔。