【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
「帰るよ。お先に失礼」
長谷川くんに有無を言わせぬ迫力の笑顔。
あぁ、失礼すぎるよ、ホント。
目で訴えるけど、こうなったら何も伝わらない。軽く無視されて背中を押される。
無駄な抵抗はやめよう。
「じゃあ、長谷川くん。また明日ね」
苦笑いのあたしたち。
まぁ、メールがあるしね。
手を振って、お兄ちゃんを見上げると、怖いくらい無表情だし!
怒ってるのかな!?
車に乗り込むとお兄ちゃんが大きなため息をついた。
……なんか、怖すぎるんですけど。
「お兄ちゃん、なんか怒ってる?」
助手席から目を合わせる。
一瞬黙ってから、面白く無さそうな声。
「チィ、メイクしてる?」