【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
いつの間にやら車は家に着いていたらしい。
ありがとう。
そう言いかけた時、耳元に感じる温かい吐息――。
ビクン! と跳ねるあたしの体。
「そんな可愛い顔して……あんまり男をたぶらかすなよ」
柔らかく、温かい。
唇が耳たぶに当たってるんですけど!!
初めての感触に、身体中が熱くなる。
「―――ッッ!!」
バッと耳に手を当ててお兄ちゃんを見る。
「お、お、お兄ちゃん! み、耳!」
可笑しそうに微笑みながらも、その目は笑ってなくて――。
その妖艶さに、鳥肌が立つ。
慌てて目を逸らして車を飛び降りた。
その魅力に取り込まれないように。
「もう! 知らない!」