亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
………サリッサは、眠っているユノの小さな手を、ギュッと握り締めた。
「―――……………………この子は………………………………………………この国の…………未来そのものです…」
レトはフッと顔を上げた。
半開きの眠そうな目で、この奇妙な親子を見詰めた。
外から、冷たい風が吹き込み……。
………焚き火を小さく揺らした。
「―――………………………この子は……………ユノは……………………………隣国バリアンによって殺された………デイファレト王51世の…………………………孫にあたる子供。…………………………………………………………次の王位を継ぐ、この国の新しき王になられる子です」