亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
6.君と僕の証石





毎日思うんだ。



何も無い、殺風景な砂漠を見ていると……。












これが、城からの眺めか。






これが、我が国か。















これが、私の持つべき宝なのか。

















………酷く、幻滅するんだ。















………砂の赤色と映える空の青と照り付ける太陽の光と影のコントラスト。




……これの、何処が………宝なんだい…?
















………父上、偉大なる先祖から貴方様まで受け継がれ、守り続けてきたこの大地に………どのくらいの価値があるというのですか?













少なくとも、私にとって……この世界は宝でも何でもない。





…私を束縛する乾いた殻です。













正直、私はこんな世界は要りません。





望みも、しません。











誰もが羨むその王位さえも、私にとっては煩わしいものでしかないのです。













………ですから父上……私には何も望まないでいただきたい。




私より、リイザに関心を向ける事をおすすめしますよ。









………向けておかなければならない、と言い換えましょうか。



















私は、貴方様の宝は受けとりません。







私の宝は、私が決めます。







私には、ちゃんと欲しいものがあるのですよ。






申し訳ありませんが父上。
















………一度欲しいと思ったものは、手に入れないと気が済まないのです。






……そう…貪欲に。
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