亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
………訳が分からなかったが、とりあえず「そうですね」と答え、使者達を見送りするべく再度大広間から退室しようとした。
……途端、踵を返したアレクセイに、ルウナは待ったをかけた。
「お見送りのついでにね―、母上に伝達してほしいにょ―!」
何だかんだいってまだ2歳。
母親が恋しいらしいルウナは、毎日毎日伝達を送っている。
…今日の伝達は、そう言えばまだだった。
アレクセイはルウナの前で一度礼をし、ニコニコしながら小首を傾げた。
「畏まりました。………して、内容は?」
敬愛する母へのメッセージを、ルウナは元気よく言った。
「極秘に潜入していりゅバリァンの目的は、王族の暗殺。理由は分かりましぇん。どうかお気をつけ下しゃい、ルウナより―!」