亡國の孤城Ⅱ ～デイファレト・無人の玉座～
14.僕らは駆け抜ける
戦士の月、昇りたる夜
第一国家デイファレトの大地に
我等が創造神アレスが
御目を向けられ
青き玉座に相応しき
神の愛でる人間を迎え待つだろう
祝福の 聖なる光の柱
天と地を照らす柱は
―――…二本。
それは砂と氷の大地に、そびえ立つ
デイファレトの新しき、若き王として選ばれた人間は
王となる前に
決断を 迫られるであろう
どちらの運命を選ぶか
その決断によって 世界の有無が決まる
選ぶのは、どちらか
どちらの、“消滅”を選ぶのか
神に選ばれし若き人間は
迫られる
己の“消滅”か
それとも
―――
