亡國の孤城Ⅱ ～デイファレト・無人の玉座～

15.介入、突入

ウルガという名は、今はもう故人となった我が父がつけてくれたものだと聞いている。




堅実であるように。


忠誠心を貫く義理堅い者であるように。


人のためになるように。


この国に必要な者となるように。


強き武人となるように。


弱さを持たぬ男となるように。


常に強さを求める者となるように。


悪なるものを断つように。


正しき道を行けるように。






















強く、正しき、戦士であることを。


願う。



















…父の願いが贅沢に詰め込まれた、私の名前。




…果たして私は、父の望んでいた男の姿になっているのでしょうか。





罪人として亡くなられた哀れな我が父よ、いかがでしょうか。

貴方と道連れに、罪人の汚名を刻まれてしまった。








この、ウルガは。





















…父上、私は正直な話。











何が善で


何が悪なのか







もう、分かりません














正しいとは何なのか



もう、分からないのです





















………父上













亡き、父上















…私を罪人とし、私を残していった父上







貴方が下さった、この名前














私の 名前















ウルガ、という私の名前が





















私は 嫌いです