亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~
いや………無事に終わらせないといけないんだ。
僕は。
僕は、最後まで………守らないと。
ユノを、王様にするんだから。
………一緒に、玉座にまで階段を昇ろうって………約束したから。
何かあっても………僕がなんとか………しなくちゃ。
………僕が。
………。
…今は、独りじゃないから。
だから、頑張れるから。
………僕、大丈夫だから。
でも。
やっぱり。
…寂しい。
………寂しい…気がする。
次に目を開けた時は、朝である事を願って。
レトは、マントに顔を埋めた。
身体が小刻みに震えるのは、寒さ故ではないと分かっている。
ただ………泣きたいのを、堪えているだけだ。
それだけ。
「―――………父さん」