群青



『なんなんだろうな、群青って』




『てかあいつ教師なの?』




『さぁ。カウンセリングって言ってたよな』




集会が終わり、教室に戻る途中の廊下。




それぞれが、色んな会話をしている。




が、内容はみんな、奴のことだった。




『まぁ、それなりによさそうだったよな』




『優しそうだしな』




『1回くらい、祝群青開設にでも行ってやるか』




『あぁ、そうだな』




正気か?




優しそうにみえたのか?




慌てて、他の生徒の会話に耳を傾ける。




『群青先生、かわいくない?』




『笑った顔とか、優しかった〜』




あの顔が、優しい?




瞳、笑ってなかったよな?




『俺さ〜最近悩んでんだよね』




『まじ?群青行けよ』




『そうしよっかな〜群青になら話せる気がする』




『たしかに。他の教師と違うよな』




嘘だろ?




あんな胡散臭いやつの、どこがいいんだ?


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