一緒
歩いて一番近いラブホテルで泊まることにした
男同士でも入れるって理由で二回程利用したことはあるけど、別に泊まれれば何でもよかった
今日そこを選んだのはただ近いというだけだった


「会社。明日休みでよかったな」

俺がベッドに腰をおろして、無意識に出そうになるため息を殺して言うと、慶介は少し笑った

「だから今日にしたんだろ。こーゆーことになる可能性考えて」

「・・・まぁな」

慶介には悪いけど、俺には無理しても笑顔を作る余裕がない

ただ疲れたし、気を使ってくれてるんだとわかってても慶介が笑うとイライラした

「風呂は?」

「いや、いい。慶介入りたきゃ入れよ。俺ちょっと休みたいから」

「・・・そう」

同じ境遇で、しかもそうさせた責任を半分は俺が負ってる慶介に八つ当たりしてる
最低な自分にギュッと目を閉じると、背中越しに慶介が風呂の浴槽に湯を溜めはじめたのが気配で分かった
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